日記のブログ記事

日記(ムラゴンブログ全体)
  • 夏の庭 3

     僕(木山)はなかなか、おじいさんの顔を覚えることが出来ない。もちろん道で会えば、すぐに分かる。でも、家に帰ってひとりになった時思い出そうとしても、なぜか輪郭のぼやけた粘土の人形みたいで、はっきり思い出すことが出来ないのだ。  老人の家の玄関扉が開いた。僕らすばやく駐車してある車のかげに隠れると、... 続きをみる

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  • 夏の庭 2

     老人の家は、まるで手入れというものがされていないようだった。家の奥までは見えないけれど、もうすぐ7月だというのに、老人はコタツに入っている。雨ばかり降ってちっとも暑くならないせいだろう。  木山、デブの山下、眼鏡の河辺の三人トリオはブロック塀に身を隠しながら、老人を見張っていた。  河辺の父親は... 続きをみる

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  • 夏の庭 1

     主人公の木山は小学校6年生。  クラスメートの中に山下という人物がいる。その祖母のお葬式があった。そんな彼に木山は何と声をかけていいか分からなかった。  なぜなら、木山はまだお葬式に出たことがないからである。誰かかが死んだらどんな気持ちになるか全然知らない。  山下の祖母のお葬式があってしばらく... 続きをみる

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  • つまらなさの感じ方

     広大で雄々しい海が眼下に広がっている。私は、そのほぼ真ん中を誰かと一緒になって泳いでいる。自分でもこんなに泳げるものかと内心驚嘆している。清々しい気分だ。  しかし、突如、その真ん中に巨大なホール(穴)が現れた。気持ちよく泳いでいた私とその誰かは、そのホールの脇を掠めながら何事もなかったように通... 続きをみる

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  • 転換

     思考の整理学の要約みたいなことは、目次のIIまでにしておこうと思う。残りの部分は自分で読むだけにしようと思うが、気持ちが変わり、思考の整理学の中で文章を投稿したい内容があったら、随時載せたいと思う。  行政書士の資格取得の方では、今のところ順調に学習が進んでいると思う。勉強することが、毎日の日課... 続きをみる

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  • 思考の整理学 II セレンディピティ

     戦後しばらくのころ、アメリカで対潜水艦兵器の開発に注力していた。それには、まず、潜水艦の機関音をとらえる優秀な音波探知器をつくる必要があった。  そういう探知器をつくろうとしていろいろ実験していると、潜水艦から出ているのではない音がきこえる。しかも、それが規則的な音響である。この音源はいったいな... 続きをみる

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  • 思考の整理学 II 触媒

     詩人は自分の感情を詩にするのだ、個性を表現するのである、という常識に対して、自分を出してはいけない、とした。個性を脱却しなくてはならないというのである。それでは、個性の役割はどうなるのか。そこで、触媒の考えが援用される。  酸素と亜硫酸ガスをいっしょにしただけでは化合はおこらない。そこへプラチナ... 続きをみる

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  • 思考の整理学 II エディターシップ

       小説家が、いくつかの小篇集を編むことがある。小説でなくても、方々に書いたエッセイなどをまとめて、本にして出版するということもよく行われる。  こういう編纂ものではおもしろいことがおこる。ひとつひとつの文章や作品は、それほどとくに秀れているわけではないのに、まとめられると、見違えるように立派に... 続きをみる

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  • 思考の整理学 II カクテル

     頭の中の酒をつくるには、どうするか、については、思考の整理学 II 寝させるを参照していただきたい。そこから生まれるものが、自分の思考であって、混ざりものがない。すくなくとも、他人からの混入のあとは残っていない。独創である。  こういう考え、着想をもつと、どうしても、独善的になるものらしい。  ... 続きをみる

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  • 思考の整理学 II寝させる

       卒業論文を書く学生が相談にくる。  毎年のように、わたくしは何を書けばいいのでしょう?といってあらわれる学生と付き合っているうちに、自分でテーマをつかむ方法のようなものを教えなくてはなるまいと考えるようになった。  筆者は、これをビール造りに例えている。麦=素材、発酵素=ヒント、アイデア、が... 続きをみる

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  • 本のこと、資格のこと

     思考の整理学は目次のIの部分を読み終えることができた。けれど、まだ全体のわずかしか読んでいない。一日、1,2項目ずつ読むとすれば、あと10日くらいかかりそうだ。  専門家が読むような学術書ではなく、一般人でも読みやすいように噛み砕いて説明されているので内容が頭に入りやすい。厚さもそれほどないので... 続きをみる

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  • 思考の整理学 I 朝飯前

     人間はいつからこんなに夜行性をつよめたのであろうか。  そして、朝早く起きるなどと言えば、老人くさい、と笑われる始末である。  夜考えることと、朝考えることは、同じ人間でも、かなり違っているのではないか。考えてみると、おもしろい問題である。  夜寝る前に書いた手紙を、朝、目覚めてから、読み返して... 続きをみる

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  • 思考の整理学 I 不幸な逆説

     学校がグライダー訓練所のようになってしまうのも、やむを得ない。小学校へ入るこどもは、まだ、勉強がよく分かっていない。先生に言われるように勉強しなさい、とひっぱるものがあるから、動き出す。自分で動くのではない。受身だ。  教育は学校で始まったものではない。学校のない時代でも教育は行われていた。  ... 続きをみる

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  • ブログ再び投稿開始

     思考の整理学という本をAmazonで購入した。  目次I 「グライダー」では、この本の展開について書かれている。  グライダー兼飛行機のような人間になるためにはどうしたらよいか。  グライダーは自力で飛び上がることはできない。学校の生徒に例えると、先生と教科書にひっぱられて勉強する。独力で知識を... 続きをみる

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  • 本当のような嘘なような故人に関する話

     しげる君の爺さんやりゅうじ君の婆さん、やっ君の婆さん、村田さんの婆さん、浅野さんの婆さん、そして、酒屋さんの婆さんもみんな、僕の近所の人たちで、みんな故人だ。  この方たちがお亡くなりになる前、僕はこの方たちの全員とまでは言わないが、ほとんどの方たちの姿をこの目で見ている。  散髪屋さんで会った... 続きをみる

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  • 保育園だった頃

     母方の祖母は、現在86歳(多分)だ。小柄で眼鏡を掛けており、体型はふくよかだ。若干耳が遠くなってきており、足も少し悪いが、それでもまだまだ元気だ。  僕が保育園のときは、母は仕事で忙しく、保育園の帰りは毎日に祖母が自宅まで送ってくれた。あの頃は、現在よりも元気でバイタリティーに満ち溢れていた。 ... 続きをみる

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  • 堂々巡り

     夜寝るときや仕事から帰ってきた後、疲れて少し寝るときなど、よく夢を見る。僕が過去に出会ってきた人たちの夢を見ることが多い。主に、小学校、中学校、高校のときの人だ。会って具体的に何をしているかまでは、あまり覚えていないが、無性に気になる。夢を見ない日なんてほとんどない。毎日何かしらの夢を見る。  ... 続きをみる

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  • 時間が欲しい。

     あっという間に時間が過ぎていく(ただし、仕事の時間は例外だ)。一日、2、3時間でいいから伸びて欲しい。  中学の頃に「モモ」という小説を読んだことがある。主に時間の概念が書かれていたような気がする。その中で、時間貯蓄銀行なるものが登場して、人間は、そこへ時間を預金ならぬ預時間していく。そうすると... 続きをみる

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  • 日記 死について

     私は思う。毎日フランスパンとコーヒーがあればそれで幸せだと。タバコも酒も要らない。死際にタバコを一本吹かすよりも一片のパンをかじりながら死んでいく。これが私の本望だ。  私は死について考えることが多い。死とは生まれる以前の状態に戻るだけだ。つまり、無の世界だ。それについて考えることは、およそ無意... 続きをみる

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